新技術の“素”を追求すべく、
あらゆる可能性を模索する。

ハイブリッド複合加工機とは、通常の工作機械にはない要素を融合したマザーマシンのこと。マザック流に言い換えるなら、次世代を見据えた「新しい技術・工作機械の在り方・モノづくりの在り方」を具現化したものです。私は従来の工作機械に新技術を融合させるに当たり、開発初期の要素技術や加工技術の開発を担当しています。要素技術であるAM技術(付加製造※)やFSW技術(摩擦攪拌接合※)、レーザーを使った焼き入れ、切断、溶接など、新しい技術の開発支援に取り組んでいるほか、大学との共同開発やNEDO(※)のプロジェクト参画といった産学官連携に注力し、次世代を担う技術の研究開発に携わっています。
新しい技術の開発に携わることから、この仕事に求められるのが“探究心”と“自立心“です。たとえば評価の際に、わずかな変化や違和感に気づくことができるか。開発がうまく進まない状況下でも、意志を持って最後までやり切ることができるか。実は知識や技術以上に、技術の発展にはこうした能力が大きく関わるものだと考えています。

※AM:Additive Manufacturing
※FSW:Friction Stir Welding
※NEDO:国立研究開発法人 新エネルギー産業技術総合開発機構

自身の手で育てたAM技術を、
いずれは“ひとつの産業”に。

現在は4年ほど継続してAM技術の開発に取り組んでいます。背景にあるのは「WANTSプロジェクト」。お客様の潜在的なニーズを製品化することを目的に発足したプロジェクトの成果としてAM技術に注目したのがきっかけでした。当時、金属加工の分野ではまだ一般的ではなかったものの、その可能性に魅力を感じて、要素技術としての開発をスタートしたのです。そもそもAMがどういった技術なのか、開発するうえで何が大変なのか、どんな知識や技術が必要なのかなど、AM技術の全容はおろか輪郭さえも見えていませんでした。それでも「理解していないのなら、勉強するしかない」と、必死で要素技術としての理論を確立し、マザックにおける初めてのAM機である「INTEGREX i-400AM」の開発に当たりました。しかし、開発当初はトラブルの連続でした。積層した部品の割れや変形が頻発し、頭が痛かったことを覚えています。それでも、ひとつひとつ要素を紐解き、テストを繰り返すことで、最終的には高いAM技術を有した製品を世に送り出すことができたと考えています。
目標とする技術開発への道のりは決して平坦でありません。しかし、だからこそ面白いと感じています。苦労の末に、無事に展示会で製品発表できた時や、自分が取り組んでいる技術に対して評価を得た時などは、やりがいや喜びを感じますね。仮に失敗に終わったとしても、その経験が後々の問題解決や成功につながることも少なくありません。失敗を糧にしながら、自己成長を実感できる点もこの仕事の魅力です。
今後はハイブリッド複合加工機をさらに拡販していくこと、そして今はまだ新技術という位置付けのAM技術を、いずれはひとつの産業となりうるような技術に育てていきたいと考えています。

○とある1日のスケジュールを表記しています。職務やプライベートの状況に合わせノー残業デーやフレックスタイム制度を活用しています。

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